2026年9月2日

ファイル名を知らなくても、あの画を見つける

その画は覚えている。岩を滑り落ちる水、日が傾いた時間帯、たしか2枚目のカードの どこか。覚えていないのは、それが C0130 だったか FF17 だったか、どのフォルダに入れたかだ。

だからスクラブする。スクラブが遅い理由は、スクラブそのものにあるのではない — ファイル名がもともと画の内容を説明していないから、そして撮影が動いている 最中に素材へタグを付ける余裕なんて誰にも無いからだ。

見たものをそのまま打ち込む

検索フィールドに waterfall と入力された Divecut のウィンドウ。フォルダ内18本のうち、7本のクリップがランク付けされて表示されている。
ツールバーに一語を打ち込んだだけ。18本のうち7本が返ってくる、最も 一致度の高いものから順に。

Divecut は、あなたの言葉をフレームそのものと照合する。ファイル名ではないし、 書いた覚えのないタグでもないし、フォルダでもない。結果はランク付けされる ので、一番近い画が「たぶんこれかも」のリストの中に埋もれることなく、先頭に 来る。

開けば、一致箇所が実際にある秒数へ直接ジャンプする。探していたものが4分の クリップのうち30秒地点に1回だけ出てくる、というときに効いてくる。

仕組みを手短に

フォルダを追加すると、Divecut は各クリップを2秒間隔でサンプリングし、 グリッドに表示する絵と同じ方法でそのフレームを変換したうえで、Google の SigLIP 2 モデルに通して埋め込み(embedding)を作る。検索語も同じ種類の 埋め込みに変換され、それらと照合される。

知っておく価値のある結果が2つある:

検索は英語で。モデル自体は他の言語も受け付けるが、プロンプトの処理は英語を 前提に組んであり、他の言語で同じくらいうまく動くと約束できるほどには測定 できていない — だから、使ってから気付かせるのではなく、検索欄自体にそう 書いてある。

何も Mac の外へは出ない

モデルは Core ML を通じて、あなたのマシン上で動く。素材はアップロードされ ないし、サーバーへサンプルとして送られることもないし、他社の API で処理 されることもない。これは後付けしたプライバシー方針ではない — 契約上どこ にもアップロードできないクライアント素材のカードでも、この機能がそのまま 使える理由そのものだ。

つまり、まったく接続が無くても動くということでもある。ロケ先でも、飛行機の 中でも、スタジオのネットワークに一度も繋いだことのないノート PC でも。

これは何ではないか

スレートを読むわけではないし、特定の人物を名前で認識するわけでもないし、 「フォーカス送りがうまくいったテイク」を見つけてくれるわけでもない。見た目 で説明できるものを見つけてくれる。その範囲の中では、画を覚えていることと、 画を見つけ出すことの差を埋めてくれる。

Divecut は macOS と iPad 向けの素材ブラウザです。Log クリップを撮った ときの色のまま表示し、言葉で探せるようにし、選んだ素材を Log のまま DaVinci Resolve へ渡します。できることをすべて見る。